ストーリー(読書録『死ぬこと以外かすり傷』)

『死ぬこと以外かすり傷』(幻冬舎)を読んで。

 

著者は書籍編集者の箕輪厚介氏。

下火になっている出版界を盛り上げようと精力的に活動している。

(編集者というのは本来“黒子”の存在であって、

名前を打ち出し、それをバリューにしようなんて人はとても珍しい。)

1年前にこの人の講演を聴いて、語りの熱量に圧倒された。その情熱がそのまま伝わってくるような本だった。

 

彼が「ストーリー」について語る部分がすごく共感できる。

いまの時代、商品の機能や価格は大体似たり寄ったりだ。

これからは、その商品にどんなストーリーを乗っけるかが重要になる。

例えば、このTシャツは、どんなデザイナーが、どんな想いを持ってデザインしたのか、そこに込められたメッセージは何か。

そういった消費者が心動かされるストーリーを作ることが、洋服でも家具でも食品でも必要になってくる。

そして、それが得意なのが編集者なのだという。上の内容について、言葉を変えてこうも語っている。

これから物を選ぶ基準は「物語」になる。安くて良い物は溢れている。だから、機能としてのTシャツはユニクロで十分だ。あえてTシャツを選び取る理由は、Tシャツのデザイナーの生き方が好きとか、何かメッセージを代弁しているとか、そこに込められた物語の部分、制作者の顔でしかない。

本などのコンテンツも、機能や値段では選ばず、その裏にどんな思いがあるか、誰が編集しているかまで込みで買うか決めるようになる、というのが箕輪氏の主張。

 

 

わたしの将来のテーマも、

人や物の価値を「ストーリー」で伝えること。

(※長くなりそうなので別の場所でスペースを割きたい)

 

いま、

・(クリエイティブ畑じゃない場所で)それに合致する仕事を選ぶか、

・将来、伝えたいことができたとき、自分で動けるような「スキル」を身につけるか(HP制作やウェブとかのデザイン、編集、ライティング)

 

 

後者なら、未経験での入社は難しいみたいだから職種によってはアルバイトから始めることになる。

思い切って飛び込むか、

異なる分野で経験を積むか・・・

(例えば、ぜんぜんイメージがつながらなさそうな「営業」とかでも、

ヒアリングして的確な提案をすること」も

ストーリーとして価値を提供することと言える。ざっくりと考えれば。)

 

 

誰に、何を、どう聞けば、

自分の道づくりに導き出せるヒントが返ってくるんだろう。

世界の、社会の、大人の

何を知っていれば、答えは出るのかな。

1年後、3年後、5年後の自分は知っているのかな。何か掴めているのかな。

悩んでかれこれ2ヶ月が経ってしまう・・・。